葬儀社の決め方
一般的に、地域ごとに一定範囲をカバーする葬儀社が存在するため、地域の中から選択することになります。葬儀社は、親族が他界してからではなく、冷静な判断ができるうちにリサーチをして候補を絞っておくことが大切です。元気なうちに考えたくないと思う人も多いかもしれませんが、他界したあとに探しはじめると時間も知識もない状態のため、最適な葬儀社を選択できない可能性もあります。葬儀社とは葬儀前から葬儀が終わるまで関係を持つことになるため、損をしたりトラブルに巻き込まれたりしないよう慎重に決めることが大切です。
葬儀社の種類
病院・警察署で紹介される葬儀社
病院や警察に出入りする葬儀社を利用する場合、費用が高くなる傾向があります。 理由は、出入りにはお金がかかり、費用回収のため葬儀費用を高額にする必要があるためです。 地元にある葬儀社については、近年葬儀そのものを行う数が減っていることや後継ぎがいないことから減少傾向にあります。 一方で、インターネットで葬儀場を案内する葬儀社が増加しているのです。 民間や公営斎場などを利用するため、費用も安く抑えられます。
専門葬儀社
一般葬儀社は、大小さまざまであり、比較的アットホームな葬儀を行うのであれば地元に根付く一般葬儀社を選択するケースが多いです。ほかにも、互助会やJAなどが挙げられます。互助会とは、葬式だけではない冠婚葬祭のための積み立てですが、保険とは異なるサービスです。互助会の積み立て金は、現金で支給されるのではなく契約金額ごとのサービスそのもので受け取ることになります。経済産業大臣から認可を得た会社のみができるものであり、会員は毎月決まった金額を積み立てて冠婚葬祭のサービスを受けることが可能です。
互助会の注意点
互助会は、自分の葬儀費用を用意したいと考える人が利用するケースもあります。
しかし、互助会に加入していることを遺族が知らずに、ほかの葬儀社で葬儀を行ったというケースも多いため、事前に伝えておく必要があるでしょう。
互助会に加入していれば、毎月の積み立て金から葬儀にかかる費用の一部にあてることが可能であり、決して安くはない葬儀費用の負担が軽減されます。さらに、比較的きれいホールの中から選択できるため、自分や遺族の希望に合う葬儀を行うことにもつながるのです。
積み立て金は、葬儀費用のみではなく仏壇やほかの冠婚葬祭で使用できるほか、互助会が連携している施設や飲食店で割引を受けられる会員サービスも充実しています。
ただし、互助会には解約手数料がかかり、積み立てたお金の半分も戻ってこないケースもあるため十分に注意が必要です。
また、互助会に加入していることを遺族が知らずに、ほかの葬儀社で葬儀を行った際にも積み立て金は返金されないため、必ず家族に伝えておかなければなりません。注意点としては、積み立て金は葬儀の一部として使用できるだけであり、不足分は自分たちで支払わなければならないことも挙げられます。条件については互助会ごとに違いがあるため、加入する前に内容を確認しましょう。
JAや生協、共済の注意点
JAや生協、共済といった共同組合の葬儀社は、個人や事業者が共通の目的をもって集まり、管理や運営を行っています。組合員となった人は出資金を出して運営されており、日本の主な協同組合はJA(農業共同組合)、コープ(生活協同組合)、JF(漁業協同組合)などです。組合員になることで安いプランで葬儀を行えるほか、互助会とは異なるため積み立て金などはかかりません。
葬儀社を決める4つのポイント
最適な葬儀社の決め方として、主に4つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1.問い合わせの対応
実際に葬儀を行う前の相談や問い合わせに対して応じてくれるかです。
電話での対応や問い合わせに対して印象が悪い葬儀社が、良い葬儀をしてくれるとは考えにくいです。
葬儀社との関係は数日間のため、なかには雑な対応をする葬儀社もあります。
ポイント2.料金の分かりやすさ
ホームページなどに金額が記載されていても、別途料金を請求されるなどのトラブルが起こり得ます。
別途料金は発生しないと明示しているなど、料金形態が分かりやすい葬儀社を選ぶことが大切です。
表示が明瞭な業者と契約するようにしましょう。
ポイント3.実績の有無
一定の地域内で業務を継続していれば、評判も良く信頼できる業者であるといえます。
ポイント4.実際に出向いて説明を聞く
気になる葬儀社があれば実際に出向いて説明を聞いたり、見積もりを依頼したりと行動することも大切です。
実際にスタッフと会い、葬儀場の雰囲気を見た方が分かりやすいこともあり、パンフレットやホームページにか掲載していない情報を得られる可能性もあります。
見積書の見方
見積書に記載されている内容、オプションとして含まれるものなどをチェックしましょう。 特に、お布施、香典返しを除く全ての費用が含まれているのかを確認する必要があります。 もしも含まれていない内容がある場合、別途何円の支払いが発生するのかを聞いて合計金額に加算しなければなりません。
「一式」や、「セットプラン」として合計金額のみが記載されている場合には内訳を質問し、数に応じて金額が異なる項目の詳細が記載されていなければ1つあたりの単価も質問します。 葬儀に関連する人数が適切かも判断する必要があり、料理や返礼品などは人数で異なるため、経験のある葬儀社のスタッフにアドバイスを求めても良いでしょう。
多すぎる、もしくは少なすぎることはないかを疑問視することも大切です。 また、見積りのそれぞれの項目の金額が自分の希望するレベルかを確認し、低く見積もっている葬儀社の場合は打ち合わせの際に費用が上乗せされることもあります。
祭壇のレベルについては見積もりだけではわからないため、写真を見て確認しましょう。 最も重要なことは、それぞれの項目に対して「葬儀は特別なものだから高額でも仕方がない」「このくらいの金額になるものなのかな」と、妥協や疑問を抱いたまま進めないことです。
打合せの仕方
多くの人は、葬儀に関する知識などほぼ持ち合わせていません。 また、大切な人が亡くなり、精神的にも時間にも余裕がないときに、葬儀社と打ち合わせをすることになります。葬儀は非常にデリケートなものであり、一般的な買い物やサービスを受ける場面とは異なる状況で打ち合わせを行うことになるのです。
しかし、状況は違えども、一般的な買い物やサービスの契約をする際と同様の心持ちで打ち合わせをすることがポイントとなります。 つまり、詳細な説明を受けて納得すること、自分たちの要望を伝えること、適切なサービスを提供してもらうことが重要です。
また、不当に高額な費用を請求されていないかを確認する、ほかの葬儀社とも比較する、葬儀後でもトラブルがあれば必ず伝えることも忘れないようにしましょう。 事前にいくつかの葬儀社に連絡を入れて見積もりを依頼し、比較検討することが大切です。 料金だけを比較するのではなく、連絡を入れた際の対応や対応までのスピードなど、サービス面でも比較します。
精神的に余裕がない状態の遺族が、葬儀社のスタッフに対応することが難しい場合もあり、正しい判断ができないこともあるでしょう。 そのため、信用できる人間を同席させたり、複数人で打ち合わせをしたりと工夫します。 注意点として、細かい部分を判断する余裕がない、面倒であるなどの理由から、自分で決めるのではなく葬儀社に丸投げする姿勢を見せないことです。
納得のできる葬儀を行うためには、「すべて自分達で決める」「ほかの葬儀社でも良い」という多少強気な姿勢を見せます。 気になる葬儀社にはいくつかのプランを提案してもらい、その中から最も希望に合うプランを選ぶようにしましょう。
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葬儀の流れ
葬儀社に連絡
臨終→葬儀社に連絡→ご遺体の移動→安置→葬儀の打合せ
葬儀場・日程や菩提寺等への連絡、斎場(火葬場)確認・葬儀方法決めます。
通夜
納棺→通夜→通夜ぶるまい
家族葬の場合、参列者が身内のため、通夜や告別式の受付は用意しません。
告別式
告別式(読経・焼香・献花)・式中初七日→斎場へ移動→火葬
火葬の間に斎場別室で精進落としの場合もあります。
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